ソロキャンプツーリングの魅力と注意点

自由を積み込み安全に走るための積載術

バイクでキャンプに出かける際、最大の課題であり楽しみでもあるのが荷物のパッキングです。
ソロキャンプではすべての装備を自分一人で運ぶ必要があるため、どうしても荷物が増えがちですが、バイクには法律で定められた積載制限があることを忘れてはいけません。
日本の道路交通法施行令では、積載物の長さはキャリアや座席などの積載装置から後ろに30cm以内、幅は左右それぞれ15cm以内、高さは地上から2m以内と厳格に決まっています。 特に初心者が陥りがちなのが、左右のバランスを崩してしまうことや、重いものを高い位置に配置して車体の重心を不安定にしてしまうケースです。
走行中に荷物が崩れると大きな事故に繋がるだけでなく、過積載やサイズオーバーで取り締まりの対象になるリスクもあります。

積載のコツは、まず重いものや硬いものを座席の中心に近い低い位置に配置し、その周りにシュラフや着替えなどの軽くて柔らかいものを詰めていくことです。
キャンプツーリング専用のシートバッグは、四隅をベルトで固定できるため安定感が高く、拡張機能がついているモデルを選べば帰りのお土産も楽に収納できます。
また、荷物を固定するネットやコードは、走行中の振動で必ずといっていいほど緩みます。
休憩のたびに緩みがないか確認する習慣をつけることが、安全な旅の第一歩です。
最近では、ナンバープレートのボルトを荷掛けフックに変更できる便利なカスタムパーツも増えているため、自分の愛車に合った積載ポイントを増設しておくのも賢い選択といえるでしょう。

初心者でも失敗しないキャンプ場選びの鉄則

目的地となるキャンプ場選びは、その旅が「最高の一日」になるか「苦行」になるかを左右する重要なステップです。
特にソロキャンプ初心者のライダーにおすすめしたいのは、車両の横付けが可能な「オートキャンプサイト」や「バイク乗り入れ可」の場所を選ぶことです。
駐車場からテントを張る場所が離れていると、重い荷物を持って何往復も歩くことになり、設営を終える頃には体力を使い果たしてしまいます。
また、バイクは砂利やぬかるんだ地面に弱く、サイドスタンドがめり込んで転倒してしまう「沈没」のリスクがあります。
可能な限り、地面が芝生や踏み固められた土のサイト、あるいはバイク専用の駐輪スペースが舗装されているキャンプ場を事前に調べて予約しましょう。
キャンプ場周辺の環境リサーチも欠かせません。
バイクは一度荷物を解いて設営してしまうと、再び買い出しに出かけるのが非常に億劫になります。
そのため、キャンプ場からバイクで15分圏内にスーパーやコンビニ、ガソリンスタンドがあるかを確認しておくのが理想的です。
さらに、夜間の静寂はソロキャンプの醍醐味ですが、あまりにも人里離れた場所や街灯が一切ないキャンプ場は、トラブル時に助けを呼ぶのが難しくなります。
まずは管理人が常駐している場所や、ファミリー層にも人気のある整備された高規格キャンプ場からデビューするのが、精神的な安心感にも繋がります。
ゴミの持ち帰りルールや直火の可否など、その場所独自のルールを事前に公式サイトでチェックしておくことも、マナーあるライダーとしての嗜みです。

愛車と自分を守るための防犯と安全対策

キャンプ場での夜を安心して過ごすためには、防犯意識を常に高く持っておく必要があります。
残念ながら、キャンプブームに伴いキャンプ場での盗難被害や、高価なバイクを狙った犯行が報告されるケースも増えています。
まず、バイク自体の盗難対策として、普段の街乗り以上に強力なロックを準備しましょう。
ディスクロックやアラーム付きのロックは、万が一の際に周囲に異変を知らせてくれるため効果的です。
さらに有効なのが「バイクカバー」です。 車種を特定させないだけで盗難のターゲットから外れる確率が格段に上がります。
キャンプ用の軽量でコンパクトなカバーも販売されているため、一晩バイクを外に置く際は必ず活用したいアイテムです。

また、テントサイトを離れる際や就寝時の荷物管理も重要です。
高価なアウトドアギアやヘルメット、ジャケットなどのライディングギアは、そのまま出しっぱなしにせず、必ずテントの中に入れるか、ワイヤーロックでポールやバイクに固定する工夫をしましょう。
「誰かが見てくれているだろう」という油断は禁物です。
ソロキャンプでは、貴重品を常に身につけられるサコッシュやウエストバッグがあると便利です。
さらに、もしもの身の危険に備えて、スマートフォンのモバイルバッテリーは常に満タンにしておき、枕元にホイッスルや防犯ブザーを置いておくのも、ソロライダーが自分を守るための現実的な対策です。 自由を謳歌するソロキャンプだからこそ、こうした「事前の徹底した準備」が、心の底からリラックスできる時間を作り出してくれるのです。