新基準原付によりヤマハ製の原付が復活

排ガス規制に関係した新基準原付とは?

2025年11月に、日本国内においてバイクの区分を変えるような大きな変更がなされます。
その時を期限とする新しい排ガス規制が敷かれることになっていて、新しい規制だと従来の50ccクラスの原付一種は製造ができなくなってしまいます。
エンジン自体がその排ガス規制に対応できるレベルに合わせることができないためで、庶民の日常の足として多用されてきた原付バイクが消え去る恐れさえありました。

しかし、2023年12月に警察庁は新たなバイクの区分として、排気量ではなく最高出力を軸とすると発表しました。
それによると、100ccから125ccまでの排気量を持つバイクであっても、最高出力を5.4PSもしくは4kWまでに抑えてあるものであれば従来の原付一種とすることになりました。

125ccクラスのエンジンであれば、新しい排ガス規制に対応することができます。
出力を抑えるだけで済みますので、現在の125ccクラスバイクを調整すれば対応できるのです。
こうしたことから、各メーカーでは今までとは異なる新しいバイクのスタイルを生み出せると考えて、新しい規制に合わせて戦略を練ってきました。

現在のヤマハの原付はホンダのOEMとなっている

ヤマハは現在のところ、自社での製造については原付一種は行っていません。
50ccバイクについてはすべOEMつまり社外生産となっており、具体的には「ジョグ」や「ビーノ」といったモデルがあります。
ヤマハも以前は50ccクラスの原付の製造を行っていましたが、事業面での困難から2016年に製造分野から撤退しています。

一方で125cc以上のクラスについてはヤマハの得意とするところで、特に海外でヤマハブランドは125ccで高いシェアを誇っています。
東南アジアや中南米などでは125ccクラスのバイクが日常生活ではよく用いられていますが、これは日本では主流の50ccだと、山間の土地や悪路が多い国ではパワーが足りなくなってしまうのが理由です。
普通に走る分には問題がなく、しかも経済的にお得な125ccクラスが最も売られているのです。

OEMからヤマハ製の新基準原付を投入する予定

新しい基準では、従来の125ccの出力を抑えるだけで原付一種とすることができます。
つまり、ヤマハにとっては得意とする125ccクラスのバイクを調整するだけで、日本で売り出せるようになるわけです。

すでにヤマハはグローバル戦略として数十を超える125ccクラスのモデルを持っていますので、その中から日本国内での交通事情や価格帯、そして日本人の体格に合ったものを選んで投入できます。
こうしたことから、ヤマハは新基準適用に合わせて、原付一種のOEMを止めて自社生産での原付一種の生産を再開すると発表しています。